10月28日はチェコの何の日?独立チェコスロバキア国家の日|お店は開いてる?何がある?
結論
10月28日は「独立チェコスロバキア国家成立の日」で、1918年のこの日にプラハでチェコスロバキアの独立が宣言されたことを祝う、チェコの国の祝日です。2026年は水曜日で、売り場が200㎡を超えるスーパーなどは閉まりますが、小さなお店やレストランは開いています。プラハでは上院や下院などの建物が無料で公開されます。
チェコのカレンダーを見ると、10月28日に「Den vzniku samostatného československého státu」と書いてあります。英語では「Independent Czechoslovak State Day」です。今は「チェコ」と「スロバキア」の2つの国なのに、なぜ「チェコスロバキア」の日が祝日なのか、当日はどうなるのかをまとめました。
10月28日は何の日?
1918年10月28日に、プラハでチェコスロバキアという国の独立が宣言された日です。 チェコ語の正式な名前は「Den vzniku samostatného československého státu(独立チェコスロバキア国家成立の日)」で、チェコの人は短く「28. října(10月28日)」と呼びます。
それまでチェコ(ボヘミア・モラビア)とスロバキアは、300年近くオーストリア=ハンガリー帝国の一部でした。第一次世界大戦で帝国が負けそうになったところで、チェコ人とスロバキア人が一緒に新しい国をつくりました。2026年は、それから108年目にあたります。
チェコとスロバキアは1993年に分かれましたが、チェコでは今も、この日を「自分たちの国が始まった日」としてお祝いします。2つの国が分かれた話は、チェコとスロバキアの違いは?の記事にまとめています。
1918年10月28日に何があった?
チェコ政府やチェコの公共放送(ČT24)によると、流れはこうです。
- 10月18日:外国で独立運動をしていたトマーシュ・ガリッグ・マサリク(のちの初代大統領)が、「ワシントン宣言」でチェコスロバキアの独立を宣言
- 10月27日〜28日:オーストリア=ハンガリーが和平の条件を受け入れたという知らせが届き、プラハの人たちは「帝国が降参した」と受け取って街に出て、帝国の紋章などを外し始める
- 10月28日の朝:プラハの「国民委員会(Národní výbor)」が、食料を管理していた役所(穀物公社)を押さえ、戦地に食べ物が運ばれるのを止める
- 10月28日の夜:国民委員会が、独立した国をつくるという最初の法律を出す
- 10月30日:スロバキアの代表たちが、マルティンという町で、チェコと一緒の国になることを宣言(「マルティン宣言」)
- 11月:仮の憲法ができ、マサリクが初代大統領に選ばれる
プラハで独立を進めたアロイス・ラシーン、アントニーン・シュヴェフラ、フランチシェク・ソウクプ、イジー・ストシーブルニー、スロバキア人のヴァヴロ・シュロバールの5人は、「10月28日の男たち(muži 28. října)」と呼ばれています。
ずっと祝日だった?
ずっとではありません。 共産党の時代には、この日の意味が変えられていました。
- 1918〜1938年:「第一共和国」と呼ばれる時代。10月28日は国のいちばん大きなお祝いの日
- 1948年〜:共産党が政権をとると、独立のお祝いはだんだん目立たなくなる
- 1952年〜:10月28日は「国有化の日(Den znárodnění)」という休日に。1945年10月に大きな会社を国のものにする法令が出たことにちなむ
- 1968年:「プラハの春」のころ、いったん独立のお祝いに戻る
- 1975年:休みの日ではなくなる
- 1988年:ふたたび独立チェコスロバキアの日として国の祝日になる
今のチェコでは、祝日の法律(245/2000 Sb.)で「国の祝日(státní svátek)」の1つに決められています。
スロバキアでは? スロバキアでは、2020年の法改正で10月28日が国の祝日に加わりましたが、休みの日ではありません。スロバキアで仕事や学校が休みになることはないので、ブラチスラバなどに行く人は、ふつうの日と思っておけば大丈夫です。
当日はどんなことがある?
テレビで中継される国の行事と、誰でも参加できるものがあります。
- ヴィートコフの丘(プラハ3区):午前中、大統領や政府の人が国立記念碑の「無名戦士の墓」に花輪をささげる式典があります。軍の行進や、戦闘機・ヘリコプターが上空を飛ぶ年もあります
- プラハ城:昼ごろ、大統領が新しい将軍を任命します。夜には、城の「ヴラジスラフ・ホール」で、国のために力を尽くした人に勲章(いちばん上は白獅子勲章)を渡す式典があり、テレビで生中継されます
- マサリクの像や墓:プラハ城の前のフラッチャニ広場にあるマサリク像や、各地の記念碑に、花やろうそくを置く人がいます
無料で入れる場所(2026年)
旅行者にいちばんうれしいのは、ふだん入れない国の建物が、無料で公開されることです。2026年は、次の場所が公開されます(2026年10月27日時点の情報)。
| 場所 | 時間 | ひとこと |
|---|---|---|
| 上院(ヴァルトシュテイン宮殿) | 7:00〜17:00 | 上院議員の席に座れる。庭園も開いている |
| 下院(トゥーン宮殿、Sněmovní 4) | 9:00〜16:00 | ガイドなしで回る |
| 政府庁舎(ストラコヴァ・アカデミー) | 10:00〜18:00 | 閣議をする部屋が見られる |
| 市民会館(Obecní dům) | 9:00〜15:00 | スメタナ・ホールで15分ごとに説明がある |
| 新市庁舎(Nová radnice) | 10:00〜18:00 | ガイドツアーは予約が必要 |
上院や下院は、空港のような荷物の検査があり、大きな荷物は持ち込めません。人気の場所は列ができるので、朝早めに行くのがおすすめです。時間は変わることがあるので、行く前にそれぞれの公式サイトも確認してください。
プラハ国立美術館(Národní galerie Praha)でも、この日は一部の展示が無料になります。
お店や観光地は開いている?
10月28日は、大きなスーパーやショッピングモールのお店が閉まる日です。 法律(小売店の営業時間に関する法律 223/2016 Sb.)で、売り場が200㎡を超えるお店は、この日は営業できません。
- 閉まる:大型スーパー(Albert、Billa、Lidl、Kaufland など)、ショッピングモールの中のお店
- 開いている:小さな食料品店、薬局、ガソリンスタンドのお店、空港や駅の中のお店
- レストラン・カフェ:この法律の対象ではないので、ほとんど開いています
- 観光地:プラハ城や美術館・博物館は開いている所が多いですが、時間が変わることもあるので公式サイトで確認してください
- 公共交通:土日や祝日用の、本数が少なめのダイヤになる路線が多いです
旅行中なら、前の日(10月27日)に水や朝ごはんを買っておくと安心です。
ほかの祝日とどう違う?
チェコには「国ができた日」のような祝日が3つあり、まぎらわしいです。
| 日付 | 名前 | 何の日? |
|---|---|---|
| 1月1日 | 独立チェコ国家再建の日 | 1993年に、今のチェコ共和国ができた日 |
| 9月28日 | チェコ国家の日 | チェコの守護聖人、聖ヴァーツラフの日 |
| 10月28日 | 独立チェコスロバキア国家成立の日 | 1918年に、チェコスロバキアができた日 |
10月28日は、この中でいちばん国の行事が多い日です。大統領の勲章の式典があるのは、1年でこの日だけです。
また、3週間後の11月17日(自由と民主主義のための闘いの日)も国の祝日ですが、こちらは大きなお店も開いています。10月28日はお店が閉まる、11月17日は開いている、と覚えておくと便利です。ほかの祝日は、チェコの祝日2026・2027の一覧を見てください。
在住者コメント
この記事は、祝日の前の日(2026年10月27日)に書いています。今年の10月28日は水曜日なので、週の真ん中に1日だけお休みが入る形です。私は祝日の前の日には、いつもスーパーで日用品を買い込んでおくようにしています。よい休日を!
参考にした資料
2026年10月27日時点で、次の資料で内容を確かめています。
- チェコ政府「National holiday 28th October」(英語)
- ČT24「První republiku vyhlásila pětice „mužů 28. října“」(チェコ語)
- CNN Prima News「Zastřelený horník, Den znárodnění i mladistvé živly v ulicích aneb 28. říjen v dobovém tisku」(チェコ語)
- Radio Prague International「Czechia prepares to celebrate Czechoslovak Independence Day」(英語)
- Radio Prague International「Independence Day celebrations in Czechia mark country’s 104th birthday」(英語)
- チェコ上院「Den otevřených dveří 28. října」(チェコ語)
- Kudy z nudy「Kam se v Praze 28. října podíváte zadarmo?」(チェコ語)
- Pražské zkratky「28. října v Praze 2026: Dny otevřených dveří zdarma」(チェコ語)
- Startitup「Na Slovensku pribudne nový štátny sviatok」(スロバキア語)
- チェコ労働社会省「Zákon č. 245/2000 Sb.(祝日に関する法律)」(チェコ語)
- Sbírka zákonů「223/2016 Sb.(小売店の営業時間に関する法律)」(チェコ語)