チェコのビールの基本|世界一のビールの国の頼み方・種類・量
結論
チェコはピルスナー(明るい色のラガー)が生まれた国で、1842年に西ボヘミアのプルゼニで最初に造られました。お店では「明るい(světlé)か黒い(tmavé)か」と「大(0.5L)か小(0.3L)か」を選べば注文できます。「10度・12度」は麦汁の濃さで、度数(アルコール)ではありません。
チェコはビールの国です。チェコの人が1年に飲むビールは、1人あたり約121リットル(2025年)です。数字は年々減っていて、過去でいちばん少なくなりましたが、0.5Lのジョッキで1年に240杯ほどになります。
世界中で飲まれている「ピルスナー」はチェコで生まれ、アメリカの「バドワイザー」の名前も、私が住んでいる町チェスケー・ブジェヨヴィツェから来ています。旅行で初めてチェコのお店に入っても困らないように、ビールの基本をまとめました。
バドワイザーの町のビールについては「チェスケー・ブジェヨヴィツェの本場ビールとレストラン」で、私がおすすめするお店を紹介しています。

ビールの種類:まずは「明るい」か「黒い」か
| チェコ語 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| světlé | スヴィエトレー | 明るい色のビール。いちばん一般的 |
| tmavé | トマヴェー | 黒ビール。少し甘めのものが多い |
| polotmavé | ポロトマヴェー | 中間の色(琥珀色) |
| nealkoholické | ネアルコホリツケー | ノンアルコールビール |
迷ったら、まずは明るいビール(světlé)を頼めば間違いありません。
「10度」「12度」はアルコール度数ではない
メニューの「10°」「12°」は、ビールを造るときの麦汁の濃さです。 アルコールの度数ではありません。数字が大きいほど、味が濃く、アルコールも少し高くなります。
| 表示 | 呼び方 | 目安 |
|---|---|---|
| 10°前後 | výčepní(ヴィーチェプニー) | 軽くて飲みやすい。昼から飲む人も多い |
| 11°〜12°前後 | ležák(レジャーク) | しっかりした味。ピルスナー・ウルケルやブドヴァルの定番はこちら |
アルコールの度数は、メニューやラベルに「%」で別に書いてあります。お店では書いていないことがありますがだいたい4〜6%が相場でしょう。
量の選び方:大きいのは0.5L
| 呼び方 | 量 | 読み方 |
|---|---|---|
| velké(大) | 0.5L | ヴェルケー |
| malé(小) | 0.3L | マレー |
何も言わないと、だいたい0.5Lが出てきます。0.5Lは日本の中ジョッキより多いので、少しずつ飲みたい人は「malé」と言いましょう。0.5Lのものを二杯頼むと、(あたりまえですが)1Lになります。いろいろ種類をのみたいときは小さいものにするとたくさん飲めると思います。
お店での頼み方
- 席についたら、店員さんが来るのを待つ(自分で注文しに行かない店が多い)
- 「Jedno pivo, prosím(イェドノ・ピヴォ・プロシーム)」=「ビールを1杯ください」
- グラスが空になると、聞かずに次の1杯が来る店もある。
- 会計は席で。「Zaplatím, prosím(ザプラチーム・プロシーム)」=「お会計をお願いします」
ビールを何杯飲んだかを、店員さんが紙に線で書いていく店もあります。
チェコではチップを払う店と払わない店があります。払わなくても相手に怒られるという経験は少なくとも一年半住んで一回もないので、安心してください。クレジットカード決済だとチップを求められることが比較的多い気もします。
ピルスナーはチェコで生まれた
ピルスナーは、1842年に西ボヘミアの町プルゼニ(ドイツ語名ピルゼン)で生まれました。 プルゼニの市民がつくったビール工場で、醸造家のヨゼフ・グロルが1842年10月5日に最初のビールを仕込みました。それまでの濃い色のビールとちがう、金色の明るいビールでした。
このビール工場が、今の「ピルスナー・ウルケル(Pilsner Urquell)」です。「ウルケル(Urquell)」はドイツ語で「最初の源」、つまり「元祖」という意味で、1898年に商標として登録されました。今もプルゼニでは、ビール工場の見学ツアーに参加できます。
「ピルゼン」で検索する人が多いですが、チェコ語の町の名前は「プルゼニ(Plzeň)」です。
ピルゼン自体がピルスナーウルケルを指していて、お店でピルゼンというと、ピルスナーウルケルが運ばれてくることも。
私がよく見る銘柄
スーパーや居酒屋(hospoda)には、ほかにもたくさんの銘柄が並んでいます。まずは私がいちばんよく見る銘柄から紹介します。ほかの銘柄は、飲んだら少しずつ足していきます。
ピルスナー・ウルケル(Pilsner Urquell)
上で紹介した、ピルスナーの元祖です。1842年にプルゼニで生まれ、「ウルケル」は「元祖」という意味です。チェコのお店のメニューで、いちばん見かけるビールのひとつです。
コゼル(Velkopopovický Kozel)
プラハの近くの町ヴェルケー・ポポヴィツェで、1874年から造られているビールです。「Kozel」はチェコ語で「ヤギ」で、ラベルにもヤギの絵が描かれています。メーカーの公式サイトでは、11°は3種類の麦芽を使った、しっかりした味でやわらかい苦味のビールと紹介されています(アルコール4.6%)。明るいビールのほかに、黒ビールと混ぜた「Black & Tan」もあります。
ブドヴァル(Budvar)
私が住んでいる町チェスケー・ブジェヨヴィツェのビールです。アメリカの「バドワイザー」の名前の元になった町で、このビールは「Českobudějovické pivo(チェスケー・ブジェヨヴィツェのビール)」としてEUの地理的表示(PGI)で守られています(2004年から)。町のお店では、いちばんよく見るビールです。くわしくは「チェスケー・ブジェヨヴィツェの本場ビールとレストラン」で紹介しています。
まとめ
- ピルスナーは1842年にプルゼニで生まれた
- 迷ったら「明るい(světlé)」の「大(0.5L)」
- 「10°・12°」は麦汁の濃さで、アルコールの度数ではない
お酒は20歳になってから。飲んだら運転はしないでください(チェコでは、運転するときのアルコールは0が決まりです)。
参考にした資料
2026年10月18日時点で、次の資料で内容を確かめています。
- Plzeňský Prazdroj「Birth of a legend」(英語)
- Budějovický Budvar「For six years Budweiser Budvar has been a part of the exclusive club of European products entitled to use the PGI logo」(英語)
- Novinky.cz「Spotřeba piva v Česku loni klesla na historické minimum」(チェコ語、2026年4月)
- Plzeňský Prazdroj「Velkopopovický Kozel」(英語)